児童相談所(児相)との面談や電話は、情報量が多く、緊張も強く、しかも
「後から言った・言わない」が起きやすい場面です。
- その場では冷静に聞けない
- 重要な条件(面会、手続、期限、理由)が口頭で流れる
- 「録音は禁止です」「違法です」と言われて焦る
- でも、こちらは子どもと家族の人生がかかっている
だから多くの人が「せめて録音して、事実を残したい」と思う。これは普通の感覚です。
結論から言うと、会話の当事者が自分の会話を録音する(いわゆる秘密録音)こと自体は、一般に直ちに犯罪になるとは言いにくいと整理されるのが実務的な理解です。
ただし同時に重要なのが
- 「犯罪ではない」=「何をしてもOK」ではない
- 公開の仕方・目的・手段によっては、プライバシー侵害や不法行為(損害賠償)などのリスクが出る
ここを切り分けないと、議論がぐちゃぐちゃになります。
まず結論を4つに分解する
①「録音そのもの」は違法(犯罪)なのか?
当事者が自分の会話を録音する行為それ自体について、日本には「盗聴罪」のような一般犯罪があるわけではない、という整理が広く示されています。
また、弁護士解説でも「秘密録音は基本的に違法ではない」との整理が見られます。
つまり、児相職員から「違法」と言われたら、まずは
“何法の何条に違反ですか?” と問い直す価値があります。
② じゃあ「録音禁止」と言われたら終わり?
終わりではないです。ここは法と施設ルール(運用)が分かれます。
- 施設側が「録音はお断り」という運用を置くことはあり得る
- ただしそれは多くの場合、施設側のルールであって、即「犯罪」とは別問題
あなたのゴールは「勝ち負け」ではなく、記録の確保です。
そこで、録音を止める/止めないの二択ではなく、代替案を即提示します。
代替案テンプレ(強い順)
- 「では、私のメモを前提に、要点を最後に復唱して確認します。食い違い防止のためです」
- 「面談記録(議事録/要約)を作成して、後日メールか書面でください」
- 「今日の決定事項・条件・期限だけ、その場で紙にして双方で確認できますか」
- 「録音が難しいなら、私から“確認書(要点)”を提出します。受領印か受領メールをください」
③ 「違法だ」と言われた時の切り返し(短文スクリプト)
相手を刺激しない言い方で、論点だけを抜きます。
スクリプトA(最短)
「“違法”というのは、どの法律のどの条文のことですか?確認したいです。」
スクリプトB(目的を固定)
「目的は公開ではなく、言った言わないを防ぐための記録です。禁止なら、議事録をください。」
スクリプトC(落とし所提示)
「録音が不可なら、最後に私が要点を読み上げます。相違があればその場で修正してください。」
④ 「録音データの扱い」で一番危ない地雷
録音そのものより、危ないのはこっちです。
地雷1:音声をネット公開する(特定可能なまま)
名誉毀損・侮辱・プライバシー侵害など、公開は別次元のリスクになります(録音がOKでも、公開は別問題)。
※児相側の資料でも、ネット公開等が刑法上の問題になり得る旨が触れられています。
地雷2:当事者でない会話を盗み録りする
あなたが参加していない第三者同士の会話を、機器で盗聴するのは危険領域です(“当事者録音”と別物)。
地雷3:個人情報の取り扱いが雑
録音内容が他情報と結びついて個人を識別できるなら、個人情報として扱う必要が出る可能性があります。
(ブログで扱うなら、匿名化・編集・目的限定が基本)
実務:当事者が「記録」を最大化するチェックリスト
面談前
- 目的を1行で固定:「今日は決定事項・条件・期限を確定させる」
- 質問を3つまで絞る(多いと流される)
- メモ用紙に「決定事項/理由/期限/次アクション」欄を作る
面談中
- 録音できるならする(公開目的ではなく保全目的)
- 録音拒否なら “復唱確認” に切り替える
- その場で「いつまで」「誰が」「何を」を必ず言語化させる
面談後
- 24時間以内に「確認書」を提出
- 今日の要点を箇条書き
- 「誤りがあれば◯日以内に書面で指摘ください」
- 受領の証拠(受領印・メール)を確保
よくある誤解:児相が「違法」を盾にしたときの見分け方
児相側の「違法です」が混ざりやすいパターンは3つ。
- 施設ルールを「法律」に見せている
- “録音”と“公開”を混ぜて脅している
- あなたが弱っている前提で、議論を終わらせに来ている
対策はシンプルで
「条文」「目的(公開じゃない)」「代替案(議事録・復唱・確認書)」
この3点セットで、ほぼ整理できます。