児童相談所による一時保護の議論で、あまり知られていない言葉があります。
それが
「府令該当性」
です。
この言葉は一般にはほとんど知られていませんが、
実務では 一時保護の継続判断に大きく関わる概念です。
この記事では
- 府令該当性とは何か
- なぜ一時保護が継続されやすいのか
- 制度の構造
を整理します。
府令該当性を紐解く
府令該当性とは、
児童虐待防止法施行規則(厚生労働省令)に定められた虐待類型に該当する可能性
を意味します。
つまり
虐待が確定しているか
ではなく
虐待の疑いがあるか
という判断基準です。
行政実務では
虐待の疑い
↓
府令該当性あり
↓
一時保護の必要性
という判断構造になります。
法律上の根拠
一時保護の根拠は
児童福祉法 第33条
です。
条文では
児童相談所長は、児童の福祉のため必要があると認めるときは、児童を一時保護することができる。
とされています。
重要なのは
必要があると認めるとき
という表現です。
つまり
危険の可能性があれば足りる
という構造です。
府令該当性(=一時保護の対象になる条件)
大きく言うと 7つのケースがあります。
①虐待の疑い
児童虐待を受けた、または その恐れがある
(実務ではここが最も多い)
②警察・通告案件
警察や通告により
児童相談所が対応する必要がある場合
③子ども自身が危険
子どもの行動によって
- 自分
- 他人
の生命・身体・財産に
危険が生じる恐れがある
④子どもが保護を求めた
子ども自身が
「保護してほしい」
と意思表示した場合
⑤保護者が保護できない
例えば
- 保護者死亡
- 行方不明
- 拘束
- 入院
- 家出
などで 家庭で養育できない
⑥保護者が保護を求めた
親が
「子どもを保護してほしい」
と求めた場合
⑦その他重大な危険
上記に当てはまらなくても
子どもの生命・身体に重大な危険がある場合
一時保護の必要性(=なぜ保護するのか)
次の理由があると一時保護が行われます。
①安全確保
子どもの安全を
すぐ確保する必要がある
②家庭分離
家庭から一時的に離して
親子関係を整理する必要
③養育環境の調整
福祉サービスなどを使い
養育環境を整える必要
④警察通告案件
警察から通告があり
状況がまだ把握できない
⑤子どもの調査
子どもの状態を
- 調査
- 行動観察
する必要
⑥保護者調査
親や親権者の
- 生活状況
- 養育能力
を調査する必要
⑦関係者調査
関係者(学校・園など)への調査
⑧その他
この書類で一番重要なのはここです。
制度は
虐待があった
ではなく虐待の恐れ
で動きます。
つまり
疑い
↓
府令該当性
↓
一時保護
という判断構造になります。