平成生まれなら、こんな記憶はありませんか。
喫茶店。
スナック。
カラオケ。
グラスに入った氷水。
そこへ何本も刺さったポッキー。
当時は何の違和感もありませんでした。
少しカルキ臭くても、それも込みで「普通」だった気がします。
最近ではほとんど見なくなりました。
衛生面なのか。
時代なのか。
昭和の名残なのか。
そんなことが気になって調べてみると、一つ面白い事実がありました。
1983年。
グリコが始めた
「ポッキー・オン・ザ・ロック」
という販促キャンペーンです。
そして、そのCMには当時トップアイドルだった松田聖子さんが起用されていました。
ここで一つ気づいたことがあります。
企業は商品だけを売っているわけではない。
「文化」そのものを作っているのです。
ポッキーを売ったのではない。
グリコが提案したのは、
ポッキーを袋から出して食べる方法ではありませんでした。
グラスに立てる。
氷に刺す。
友達と真似する。
喫茶店で出てくる。
「ちょっとおしゃれ。」
そう感じる空気ごと提案したのです。
つまり売ったのは、
ポッキーではなく体験でした。
松田聖子という影響力
さらに面白いのは、その体験を広めたのが松田聖子さんだったことです。
1980年代。
松田聖子さんは、時代そのものを象徴する存在でした。
「松田聖子がやっている。」
それだけで、真似したくなる。
やってみたくなる。
結果として、喫茶店も。
家庭も。
カラオケも。
同じ景色になっていった。
広告が、人の行動を変えた時代があったのです。
資本主義は文化を設計する
ここが一番面白いところです。
私たちは企業は商品を作っていると思っています。
でも本当は違います。
企業は、商品が自然に売れる文化を設計している。
文化とは、多くの人が
「当たり前」
だと思っているものです。
ポッキーをグラスに立てることを誰も疑問に思わない毎日。
それは文化になった証拠です。
今も同じことが起きている
考えてみると、今でも同じことは繰り返されています。
スターバックスの季節限定。
ハロウィン。
恵方巻。
バレンタイン。
SNSの流行。
どれも、最初から文化だったわけではありません。
誰かが提案し、企業が広げ、人が真似し
気づけば
「昔からあるもの」
になっていくのです。
人は商品を買っているのではない
人は、商品を買っているようで
実はその商品のある世界観を買っています。
だから40年以上経った今でも
「ポッキーが水に刺さっていた。」
という景色だけで
当時の空気や
店の雰囲気や
友達との時間まで思い出せる。
商品は消えても
文化は人の記憶に残るのです。
私が今回一番面白いと思ったこと
ポッキーを調べ始めたきっかけは、
「昔あったよね。」
という、ただの懐かしい記憶でした。
でも掘っていくと、見えてきたのはお菓子の歴史ではありません。
資本主義は、商品を売る仕組みではなく、文化を設計する仕組みでもある。
という構造です。
だから私は最近、企業を見ても
SNSを見ても、
「何を売っているか。」
ではなく
「どんな文化を作ろうとしているのか。」
を見るようになりました。
すると、世の中の見え方が少し変わってきます。


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