一時保護・児相問題

【子供を守るという仮面の下で】第7話【初面談と娘との再会】

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理不尽なレッテル・我が子の違和感

2024年8月22日──
私たちは新しい担当者との面談に呼ばれた。

応対したのは、若い女性職員と、どこか疲れ切った表情を浮かべた中年の男性職員。
事務的に面談が始まった。

一通り事務的な説明が終わったあと、私が口を開いた

「具体的に、何が“ネグレクト”と判断されたのですか?」

すると、若い女性担当者が静かに、しかしはっきりと口にした。

「今回のケースでは、怪我をした“受傷の瞬間”に気づけなかったことがネグレクトにあたると判断しています。」

私は、言葉を失った。

すでに整形外科で診断を受け、ギプスで固定され、治療が完了して保護者の義務を果たしていた。
それでも、“その瞬間”に気づけなかったことが、虐待と同義になるのか?

子どもがこけたり、ぶつけたりしても、泣いていても一時的で、正常に動いていれば…多くの親は見逃してしまうこともある。

この論理がまかり通るなら、日本中の親のほとんどが“潜在的なネグレクト加害者”になる。

それが現実だった。
少なくとも、児童相談所の“判断”としては──。

そして、次に提示されたのは「一時保護への同意」だった。

「ご同意いただけますか?」

私は、迷いなく即答した。

「はい、もちろん。」

ただし──
この言葉の裏にある“戦略”だけは、誤解してほしくない。

私たちは納得したわけではない。
喉元まで上がってきた怒りを飲み込んだ。

断れば、児童福祉法第33条8項が発動され、家庭裁判所に判断が委ねられる。
そのあいだ、子どもとの面会は完全にストップされる。

?児童福祉法 第33条 第8項(現行)

第八項 児童相談所長は、第二項又は第三項の規定により保護した児童について引き続き一時保護を継続する必要があると認める場合であって、その者の保護者がこれに同意しないときは、家庭裁判所の承認を得て、一時保護を継続することができる。

仮に医師からの通報とエビデンスを元に、警察との協力体制を整えている本件について
前記の状況を避けることが、解決への近道であることは明らかだった。

冷静に考え、私たちは「早期の再会」を最優先した。
制度の中で唯一残された、“親の意思を示せる場”として、「同意」を選んだ。

だが、その瞬間の心境は…
地獄だった。

同意書にサインをしたとき、私の胸に浮かんだのは──

「これで私たちは、晴れてネグレクト親として統計に記録されるのだ」という屈辱だった。

2024年9月5日──
ようやく初めての面会日が訪れた。

私たちは遊戯室に通され、3週間ぶりに娘と対面する。
次女は、背中を向けて静かにおもちゃで遊んでいた。

私は妻に動画を撮ってもらい、そっと名を呼んだ。

その瞬間、次女の体が固まった。
振り返り、5秒ほどこちらを見つめる。

──そのまんまるな瞳が、だんだんと細くなっていき、
顔に満面の笑みが広がった。

私はこらえきれず、駆け寄って抱きしめた。
娘も「パパ…パパ…」と囁きながら、しっかりと抱き返してくれた。
私は泣いた。

妻も、撮影しながら静かに涙を流していた。

そのそばで、長女も無邪気に次女と遊んでいた。

──けれど、異変に気づいたのは、そのすぐあとだった。

娘の様子が…おかしい。

笑顔を見せてくれた。
だが、いつものような“弾ける笑い声”はなかった。

我が子は、もっと元気で、もっとパワフルで、もっとおてんばだった。
泣きも笑いも全力でぶつけてくるような存在だった。

それが今は、静かで、慎重で、まるで別人のように感じた。

私たちは痛感した。

親子を分断することが、どれだけ子どもの心に影を落とすのか。
「保護」とは名ばかりで、子どもに新たなストレスを与えてはいないか?

あの日の再会の記録は、今も私たちのスマホの中に残っている。
嬉しさと、切なさと、やりきれなさが交錯する数分間。

それでも私たちは、あの笑顔を“希望”として、
提示された“条件”を受け入れることを決めた。

?児童福祉法33条8項を発動させる児相側のリスクと構造

❶ 親の同意がない場合に使う“例外条項”

この条項は「親が一時保護に同意しない場合の裏ルート」です。
しかしそれを使うには…

  • 家庭裁判所に対し「正当な保護の理由」があると主張しなければならない
  • つまり、虐待や重大なリスクがあると“証明に近い説明”が必要

❷ 裁判所が「保護の必要なし」と判断した場合

  • 保護の根拠が公的に退けられる
  • 結果として、児相の主張(=親がネグレクトした、リスクが高いなど)が否定される
  • 行政判断の正当性にキズがつく
  • 親への不信行為だったことが記録に残る

❸ 逆に、親が「同意」した場合

  • 裁判所を通す必要がなくなる(手間・リスク・記録が回避される)
  • そのまま一時保護を「合意済み」として、統計的にも「ネグレクト案件」としてカウントできる
  • 今後の措置の進行が容易になる(保護継続・指導介入など)

✅ 結論:同意=“戦略的敗北”を強いられる構造

親が「はい、もちろん」と答えたその裏には、

  • 裁判所判断に進むと“長期分断”のリスクがある
  • 児相側もその構造をよく知っている
  • よって、「同意を求める」が実質的に“選択肢を奪う同意書”として機能している

? だからこそ言える問い:

本当にこれは「同意」と言えるのか?

「同意しないと、あなたの子どもには会えなくなりますよ」と暗に示される状況での“同意”に、どれだけの自由意志があったのか?

✅ この制度の意義と問題点

  • 憲法や児童福祉法の理念では、親と国のバランスが求められている(条文1条~3条の理念)厚生労働省
  • 第8項の仕組みは、制度的に親の拒否権を尊重するためとされているが、運用の現場では「親が同意しない」というだけで、親側に対して重大な不利益や同意の自由意志が損なわれる状況が生じている

? 考えていただきたい問いかけ

本当にこれを「同意」と呼べるのだろうか?
制度の構造自体が、親に選択肢を奪う形で運用されてはいないだろうか?



⬇︎次の話、全てが終わったかに思えた。複雑な心境になった日⬇︎

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